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デッサン能力はグラフィックデザイナーを出世させるか

デッサンは絵を描く時の基本で、デッサンができないと絵は描けないと言われています。これはパソコンとPhotoshopやIllustratorなどのソフトウェアが開発される前の話になりそうです。確かに今でも、グラフィックデザイナーで紙にラフデザインを描きますが、それはデッサンのじょうず下手ではなく、アイデアを示したりする場合に必要になる程度です。
ですから、グラフィックデザイナーでデッサンの力がないと駄目だという時代ではなくなってきているのではないでしょうか。

今では、PhotoshopとIllustratorを自在に扱うテクニックがデッサンと言えそうです。文字や画像のセンター合わせ、頭揃えなどはボタンを押すだけでソフトウェアがきちんとしてくれますし、円や線を描くのもソフトウェアがしてくれます。
こうなると、本来のデッサンとは異なったセンスがむしろ重要でありソフトウェアを扱う知識が必要ということになります。コンピュータに人の動作を覚え込ませて、さらに学習能力をコンピュータに与えてロボットを開発するのが今の時代です。そうなるとグラフィックデザイナーのデッサンはそのための基本的なエレメントであり、線がきれいに描けるというようなレベルではないのです。

したがって、ファッションデザインなどではまだデッサンは重要だと思いますが、グラフィックデザイナーであるCGデザイナーはデッサンが下手でも構わないということになります。むしろデッサンというよりも、丸と四角、三角などを紙に配して、それを線で結ぶ程度で、アイデアや制作のコンセプトを示すようなほうが大切なのかも知れません。
ここに写真を配して、コピーはこの感じでここへ置く、このイラストは写真とくっつけない方が視覚的にバランスが良い、というようなレイアウト的な要素が強い作画がデッサンにとって代わられそうです。

このように、パソコンとソフトウェアは大きくグラフィックスのデッサンの意味を変えたと言えるでしょう。したがって、自分はデッサンが下手だからグラフィックデザイナーに向かない、という考え方はしなくてもいいのではないでしょうか。
デザイン業界で古い伝統を大切にする気持ちは分かりますが、これからはITの時代ですから、そろそろデッサンの定義づけも以前のようなことではなくなるような気がします。グラフィックデザイナーにデッサンが必要ないとは言いませんが、少なくとも必須ではないのが現在の作業環境であり、今後この傾向はますます当たり前になるのではないかと思います。

この記事を書いた人

IT・デザイン・クリエイター向け求人サイト、グラフィカルジョブのライターです。デザイン業界に関する皆さんの疑問にお答えできる記事を投稿していきたいと考えています。

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