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グラフィックデザイナーの平均年収を解剖

全国の給与所得者を対象にした給与実態調査を、国税庁が毎年実施しています。この調査は業種には関係なく、純粋に会社員という身分を対象にしていますから、その中には店員も含まれますし、会社勤務のグラフィックデザイナーも含まれます。したがって大雑把な統計調査ではありますが、平成24年度の30代の給与所得は男性で500万円弱、女性は300万円弱のようです。ただし、全体を平均しますと、400万円が相場になります。

一方で民間の調査によりますと、グラフィックデザイナーの平均年収はやはり400万円程度とのことで、国税庁の調査結果とほぼ同じです。このことから分かるのは、グラフィックデザイナーという仕事は高給を取っていると言うイメージがある割には、ほかの仕事と収入の面ではさほどの差はないということです。
これはあくまでも平均年収を見た場合であり、年収だけを見た場合には低ければ200万円台もいるでしょうし、1000万超の人もいるでしょう。ただし、平均年収はピンからキリの総数を調査対象の人数で割った数字ですから、その調査対象の数と層により変化します。調査対象をどのような基準で決めるかは、民間の調査会社次第になりますから、もしかするとこのグラフィックデザイナーの平均年収の400万円が前後するかも知れません。

そうは言っても、民間の調査会社は一定の基準を持っているはずですから、どのような対象を選んでも、この数字が極端に動くことはないでしょう。問題は平均年収よりも個人の年収で、低い年収で仕事が忙しいと離職率が高くなります。グラフィックデザイナーの離職率は高いと言われていますから、この高い離職率に歯止めをかける意味で、グラフィックデザイナー全体の平均年収を底上げすることはできないものかと考えてしまいます。
グラフィックデザイナーは特殊サービス業で、特殊という形容詞がついている、誰にでもできる仕事ではありません。それが一般の給与水準と同程度であることに矛盾を感じる人もいるのではないでしょうか。

誰もができる仕事ではない特殊サービス業であるグラフィックデザイナーの平均年収が、それほど際立たない理由はどこにあるのでしょうか。これは、広告宣伝業という業種があまり高く評価されていないからだとも言えそうです。職業に差別があってはならないのですが、現実にはメーカーのような製造業が広告代理店のようなサービス業よりも高く評価される傾向が見られます。
アメリカでさえも、広告代理店の経営者の社会的地位はそれほど高くないという話があります。日本でも広告代理業とそこで働くグラフィックデザイナーは虚業というイメージが邪魔をしているのかも知れません。

この記事を書いた人

IT・デザイン・クリエイター向け求人サイト、グラフィカルジョブのライターです。デザイン業界に関する皆さんの疑問にお答えできる記事を投稿していきたいと考えています。

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