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近未来シミュレーション:入社10年後のグラフィックデザイナー

10年はひと昔と言いますが、10年後という言葉をグラフィックデザイナーに適用しますと、二通りの10年後が考えられます。ひとつは文字通りグラフィックデザイナーになってから10年後のことで、もうひとつは現時点から見て10年後のグラフィックデザイナーの世界です。
ここでは、グラフィックデザイナーとして働き始めてから10年後ということを考えてみることにします。

10年はひとつの区切りだと言い、会社創立10周年などの行事がおこなわれます。会社に勤務して10年と言う節目はいろいろと将来の基礎を固める時期、あるいは将来設計を実行に移す時期でしょう。それでは遅すぎるという声があるかも知れませんが、5年目頃からの5年間は一番仕事で忙しい時で、とてもじっくりと自分のことを考える時間はないでしょう。年齢的には40歳を過ぎていますから、家庭を持っている人、子どもがいる人も居るでしょう。そのような人はすでに住宅ローンなどは組んでいるかも知れません。

会社側から見ると10年選手のグラフィックデザイナーは、そろそろアートディレクターに昇格させる人選びをするでしょう。アートディレクターは1人ですから、何人かの10年選手がいると、その中のひとりにならなければなりません。そのためには十分なスキルと、それまでの経験を後輩に伝授し、人物的にも後輩と会社から頼りになると言う評価を得なければなりません。ですから入社10年後のグラフィックデザイナーの多くは会社に残っていればアートディレクタアーを目指すでしょう。一方で、入社10年目に会社を辞めて独立をするグラフィックデザイナーも居ます。独立はフリーランスになるか、自分でデザイン制作会社を立ち上げるかです。

入社10年後にフリーランスになるグラフィックデザイナーは、しっかりとクライアントをつかんでいる必要がありますし、営業のセンスやノウハウも無ければなりません。これは会社を設立する場合も同じですが、フリーランスの立場になるとクライアント無しでは生活が保証されないからです。さらに飛躍して考えますと、入社10年後にグラフィックデザイナーの仕事に見切りをつけて、異業種へ転職する人も出てきそうです。この場合は、かなりハードルが高いのではないでしょうか。デザインのことしか知らない人が金融関係や保険関係で仕事をするのは、決して簡単なことではないでしょう。そうかと言って普通のお店に勤めるくらいならば、グラフィックデザイナーの仕事をしているほうがベターでしょう。このように考えると、理想的には入社10年後のグラフィックデザイナーはアートディレクター的な管理職になるか、あるいはクライアントを持ってフリーランスになるか、大きくわければ二つの道の岐路に立たされそうです。

この記事を書いた人

IT・デザイン・クリエイター向け求人サイト、グラフィカルジョブのライターです。デザイン業界に関する皆さんの疑問にお答えできる記事を投稿していきたいと考えています。

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